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エスカレートするばかり

 仕事柄、懇親会の設定と設営が多く、いっしよに料理を食べたりもします。役員に進められ、ビールを注がれ飲んだりもします。


 その帰りの地下鉄、乗る前に薬を飲んだにも関わらず、また強烈な喉の異物感が起こりました。

 

 咳き込んでも嗚咽しても治まらず、次第に限界に近づいてきました。


 もう駄目だ。降りる駅の途中ではありますが、電車が停まった駅で飛び降り、一目散にトイレへ駆け込んだのです。

 

 運よく大の方のトイレが空いており、入った瞬間、一気に先ほど食べたご馳走が、苦しさのあまり吹き出す涙とともに、すべて放出されました。


  「ああ苦しかった。」


 とうとう、こらえきれず、気持ち悪いわけでもないのに、精神的な抑圧感から吐いてしまったのでした。


 ショックでした。全く胃がむかむかするわけでもなく、酔ったわけでもないのに精神的弱さから自分を自分で追い詰め、薬も効かず吐いてしまったことと、今後さらに深まった不安、地下鉄にはもう乗れないのではないかと。

 

 この日を期に、薬を飲んでも吐き気はおさまらなくなりました。


 朝は、電車に乗る前には何も食べずに家を出て、夜の仕事の宴会や懇親会では、一切手をつけず胃には何も入れないようにしました。


 ただし、ある程度酔うほどのたくさんのお酒を飲むと不安感が麻痺して、気が大きくなりあの恐怖感や吐き気がまったくなくなることに気づきました。


 しかし、酔えない程度の酒の量ではだめなのです。


 ただ、仕事上の宴会では食事を残すことはできず、酔うほどの酒も飲めないので、中々地下鉄には乗れず、結局、妻に電話して車で迎えに来てもらうようになってしまいました。


 タクシーでもそれは無理なのです。


 ますますエスカレートしていくばかりです。クリニックに行っても、「では、薬を強くして量をふやしましょう」ということですが、それでももう逃げ場の無いところは恐怖が襲ってくるようになってしまいました。

 

 









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